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ボドゲーマが提供を開始したオンラインストアの構想について

若狭です。掲題の件ですが、ここ数ヶ月間開発していたオンラインストアがようやくローンチ出来たのでご報告となります。

f:id:hoobby:20170703190019p:plain通販ショップ

数ヶ月前から、国内のメーカー各社様や卸売り各社様にお問い合わせさせていただいておりました。数々のご厚意があり、様々な商品の取り扱いが可能になりました。

お話させていただくうえで、様々な情報提供をしてくださったり、ご声援をいただくことができ、システム・プラットフォーム・データベースと連動した新しい形による商品流通網が誕生していく準備が整ったと思います。

今回のオンラインストアが「通販をやりたい」のではなく「商品流通網を潤滑化させたい」という主旨のもと実装されたサービスであることを紹介したいと思います。これは潜在顧客を顕在化することで、ボードゲーム市場拡大における1つの柱になれるかもと、考えて実行に至った施策となります。

ようやくローンチし、その仮説を検証できる段階に至りました

物流システム自体が初めてなので、現実的な問題があまり見えていないかもしれません。周囲のご意見を拝聴しながら、この荒削りな構想を練磨していきたいと思っています。

オンラインストアは大きく分けてフェーズ3まで計画

Phase1. 物流システムの本番稼働(NOW)
Phase2. マーケットプレイス化
Phase3. アジア圏へ多言語展開

Phase1はPhase2のために、Phase2はPhase3のために実装を行っていきます。

これは兼ねてより申し上げているとおり、これまで市場を形成してきた国内事業者や国内デザイナーに、形ある・実りある恩返しをしたいというのが目的です。

国内でボードゲームが流通している最もたる理由の1つ、メーカー / 輸入会社 / 卸売事業者 / 小売店 / 日本人デザイナーが仕入れリスク / 生産リスクを負って、僕らの手元に商品を届けてくれていたからに他なりません。

商品の流通元に対する買い付け量を増やすことができれば、国内ボードゲーム流通市場の源泉である各社が益々発展していくための1つの手助けになると考えています。

もちろん買い付けを行う小売店各社様が仕入れ量を増やすためには、小売店各社の販売量が増えていく必要があります。そして、その販売量を増やすには、ボードゲーム市場に消費者数を増やすことが最も合理的です。

消費者数が増えれば巡り巡って生産ロットや輸入ロットが増え、卸売販売のロットも増やしやすくなります。これにより、もろもろの原価削減に繋がり、価格や品質などの改善につながっていくと考えています。

消費者数を増やすために、ボドゲーマがキーワードとして掲げている「興味を趣味に変える」が重要だと考えています。より多くのユーザーが、よりスムーズに、より興味ある商品に辿り着くことができれば、新しい消費者の増加力をアップさせることができると考えています。

この新しい消費者に対してより高い転換率をもたらすためには、「商品と人が、高い水準でマッチングする仕組み」が不可欠だと考え、これによりボードゲーム市場における商品流通網にイノベーションを起こしたいと考えました。そのため、レコメンドエンジンの品質向上に力を入れていきたいと思っています。

飛び飛びでの説明ではありますが、大筋はそんなに外れていない自然なストーリーだと考えています。

流通サイド各社が発展 / 事業拡大できたら、今よりも様々な作品が流通するようになる可能性が高いため、いちボードゲームファンとしても嬉しい限りです。

マーケットプレイス化によって挑戦したい「新しい商品流通の文化」

新しい形のマーケットプレイスを提供することで、流通サイドにいる各社と新しい消費者を繋ぎこむ、1つのサービスになる可能性を見出しています。

単刀直入に表現すると、この流通市場はいつか誰かの手によってダンピング合戦へ突入するかもしれないという懸念の声が非常に多かったといえます。まだ僕らは流通市場のスタートラインに立ったばかりなので、見えていない問題はもっとあるかもしれませんが、確かに少なくともこのボードゲーム流通市場は、低価格戦略業者の台頭によって伸びてきたわけではないと考えています。

具体的な策はまだお話しできませんが、少なくともボドゲーマが考えているマーケットプレイスのコンセプトは、サービスや付加価値といった面に軸足をおいたものであり、価格比較サイトにはしない方針で考えています。

また、価格が全体的に下がる時は、ボードゲーム市場に消費者の大量増加が果たされた時に起こるべくして起こるものだと考えています。流通量の絶対数が増えることで、カットできるコストが増え、それが商品代に反映されたタイミングです。

(ボドゲーマが挑戦するあらゆる大型企画は、消費者増加を果たすというコンセプトのもと実装されていきます。)

また、同人のゲーム制作者の方にとって、委託販売が難しい場合・生産ロット/運用時間の兼ね合いで販促ツールを使用するのが難しいケースが多々あると思っています。生産コストが赤字として確定しまっているケースです。「作りすぎてしまった…」みたいになっている作品が、改めて世に出ていける場を提供したいと考えています。

メーカーから白羽の矢が立ったりすれば、次は直接販売ではなくメーカー → 小売店経由で流通する…なんてこともあるかもしれません。今後メーカーのノウハウを享受できる作品にとって、ボドゲーマ上で流通したことがきっかけの1つになれたら嬉しい次第です。

在庫販売という形で始めている理由

自社で仕入れて販売をすることについては、むしろ後発の選択肢でしたが、結論としてはメーカー / 卸売各社様から直接仕入れて、直接在庫を販売をすることにしました。

これは、自社の仕入れリスクで仕入れた在庫を、より効率よく販売できる仕組みにしたあとで一般開放するほうが、自信をもってサービス提供(一般開放)を行えるという考えからの判断です。

そのため、まずは自社で仕入れリスクを持ち、販売システムに開発投資し、販売チャネルとして成熟させることを先決しています。

また、軌道にのったあとは、小売を継続するかどうかを判断するタイミングが来ます。通販事業を行いたいのではなく、商品流通市場を形成したいというのが目的ですので、マーケットプレイス上で満足のいく流通量を確認でき次第、リテーラーから撤退する可能性は極めて高いです。

レコメンドエンジンの仕組み

現在の仕様で「 レコメンドエンジン」と謳うと少し大げさかもしれませんが、例えば、いまカタンのページを(少なくとも何かしらの興味を元に)見ているならば、ユーザーが知りたいかもしれない他の情報を提案することが可能です。

例えば「カタン」が「お気に入り」というのは抽象的事実ですが、それを1段階具体化する構成要素として「トイバー作」「ドイツ製」「交渉」「バリアブルボード」「赤ポーン」などの関節要素が紐付いていることが分かります。

はたまた、実はカタンそのものは既に満足していて、もしかしたら、カタンを好きな人が他にどんなゲームを好きなのかを気になっているのかもしれません。

前者はアイテムベースの、後者はユーザーベースの協調フィルタリングと呼ばれるものです。ボードゲームはその人または物が持つ情報の統計データを通じて、提案が行われるようになります。

また、これは重要な事実ですが、例えばいまカタンの商品ページを見ているユーザーがカタンを購入する率は高くて3,4%ほどだと言われています。100人のうち96,7人が離脱するのです。新しく表示された商品に興味をもてるものであれば、離脱するまえに回遊という選択肢が発生します。これこそが、レコメンドエンジンの果たす役目です。

現在は後者のユーザーベースのものが実装されています。前者のアイテムベースの解釈を取り入れた際に、劇的なレコメンドエンジンとして進化していくと考えています。このような優れたレコメンドエンジンを、国内ボードゲーム流通市場に提供することで、市場全体が恩恵を受けられるようにすることが、Phase2の最大の目標となります。

もし、赤ポーン作品と国内同人作品が強い相関関係を示しあうようになったら、商品の発見プロセスにおいて何かが変革するようなきがしますよね。

フェーズ2を達成するまでに2~4年は掛かりそうな気がしています。

フェーズ3、オンラインストアの今後について

上述の話をそのままアジアに広げ、国境を越えて注文が飛んで来るような、日本を中心としたアジアのマーケットプレイスにしたいな、とぼんやりと考えています。

壮大すぎる青写真なのでここで書くのは控えさせていただきますが、ひとまずはフェーズ1とフェーズ2の完成に向けて邁進していこうと思います。

ボードゲーム市場を取り巻く環境

この市場は、余暇市場(娯楽産業)というマクロ経済、超巨大市場の中に位置していると考えています。某資料によると、日本国民が余暇生活において最も重要視しているのは娯楽であると回答する方は、景気にかかわらず常に最多であることは、ボードゲーム市場にとって決して悪くない状態です。

これに加え、今後実用的なAIの登場により、多くの労働者の余暇時間が増加すると考えています。どこまで現実的な話かは図りかねますが、日本国民の余暇時間が増加した際に、ボードゲームがもっと一般的に遊ばれるようになった世の中であってほしいと考えています。

他にも、直接恩恵が出るようになるかはわかりませんが、ユーロ圏とのEPA(経済連携協定)交渉も進捗しているようです。自動車と食品の関税軽減が争点のようなので、あまり関係ないかもしれませんが…合意に至れば嗜好品への関税軽減等、発展もあるかもしれません。これは予言が的中しようがしまいが事後判断になると思うので、EPAの向かう先はあまり気にかけていません。

そして、既に次の大型機能が控えています。兼ねてよりユーザーの方々からご要望いただいていた機能となります。オンラインストア開発中にご意見いただいていた、各種機能回収が完了次第、着手を開始します。

長文となりましたが以上になります。